こんにちは!
スタッフの坪田です。
先日、ちょっと気になる記事を見かけました。
東京商工リサーチによると、代表取締役等住所非表示措置を実際に活用している企業は、
現時点でわずか6.7%にとどまっているそうです。
— 出典:Yahoo!ニュース『「代表取締役の住所」非公開はわずか6.7%、その理由は?』(東京商工リサーチ)
制度が始まってから1年経ちましたが、思ったより広まっていませんね。
というわけで、今回は代表取締役等住所非表示措置の概要と、その現状についてお伝えしていこうと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう!
まずは、制度の開始日ですが、令和6年10月1日から始まりました。
簡単に言うと、株式会社の登記簿に記載される代表取締役などの住所の一部を非表示にできるようになりました。
具体的にはこんな感じのイメージです。
(※市区町村までが記載され、番地や建物名は省略されます。住所を全て非表示にすることはできません。)
【非表示前】 東京都千代田区六番町3番地11 テシコ六番町ビル3階
代表取締役 山田 太郎
【非表示後】 東京都千代田区
代表取締役 山田 太郎
・対象の法人は、「株式会社」のみになります。
※合同会社や有限会社は対象外になりますので、ご注意を!
・対象の役職は、代表取締役だけでなく、代表執行役や代表清算人も含まれます。
※代表執行役とは、委員会設置会社において、業務執行を担当する役員のことを指します。
代表清算人とは、会社が解散した際に清算手続を行う責任者のことを指します。
・対象の住所は、国内のみならず、海外の住所であっても非表示にすることができます。
・登記の際、非表示措置のみを単独で申請することはできません。
そのため、会社設立や本店移転、代表取締役就任といったその他の登記と併せて申請する必要があります。
※令和6年10月1日以降に新たに登記される住所が非表示措置の対象となりますので、
既に登記されている過去の住所を非表示にすることはできません。
詳しい手続きや必要書類については、法務省のホームページをチェックしてみてください。
参考:代表取締役等住所非表示措置について(外部サイト)
続いて、代表取締役等住所非表示制度のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
・この制度の最大のメリットは、代表者のプライバシーを保護できることです。
従来、会社の登記簿謄本には、代表者の自宅住所がそのまま記載されていたため、
SNSを利用した個人情報の拡散や、過剰な営業活動への利用といった、プライバシー上の問題が懸念されてきました。
しかし、制度の施工により、こうした個人情報の悪用リスクを大幅に減らすことが可能になりました。
特に、自宅住所を知られたくない方や、女性・芸能関係・インフルエンサーなどの方が起業する場合、役立つのではないでしょうか。
・一方、デメリットとしては、銀行等の手続きの際に、登記簿謄本から個人の住所を確認できないため、
別途、住民票や身分証明書等の提出が求められる可能性があります。
最後に現状についてですが、
冒頭でも触れた通り、制度を活用している企業はわずか6.7%にとどまっています。
では、なぜ多くの企業が代表者の住所を非公開にしていないのでしょうか。
東京商工リサーチの調査によると、
その理由の半数以上(53.5%)が「非公開にできることを知らなかった」というものでした。
つまり、まだまだ制度そのものが知られていないというのが現状のようです。
今後、制度を広めていくためには、単に制度の概要を説明するだけでなく、
「どんな場面で役に立つのか」「実際に利用したらどう変わるのか」といった具体的な事例や効果を発信していくことが大切だと思います。
弊所でも、他の登記手続きと併せて代表取締役等住所非表示措置のご依頼をいただくケースが少しずつ増えてきております。
具体的な事例については、別の機会に詳しくご紹介できればと思います。
代表取締役等住所非表示措置の実施を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
無料相談も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください!
それでは、次回の記事でお会いしましょう!