こんにちは、事務の稲葉です。
11月に入り、段々年末が近づいてきましたね。
今回は、ご自身やご家族の財産管理・施設へ入所する際の契約など
「今後が少し不安だな」という時に利用できる制度をご紹介します。
皆様は「任意後見制度」という言葉を聞いたことがありますか?
任意後見制度とは、将来的に本人の判断能力が不十分になることを見越して、
あらかじめ信頼できる人(任意後見人)にどんな支援をしてもらいたいかを契約で決めておく制度です。
判断能力が低下した後、任意後見人が契約で定めた内容を本人に代わって行います。
任意後見人には、本人と締結した事柄について代理権が与えられていますが、同意権や取消権はありません。
しかし、任意後見制度には、支援してくれる人を自分で選べるという大きなメリットがあります。
また、支援内容を柔軟に決められる点も、法定後見人と大きく異なります。
※なお、任意後見制度は判断能力が衰える前に利用できる制度であり、
判断能力がすでに低下している場合には、法定後見制度を利用することになります。
任意後見制度を利用する場合、基本となるのが 任意後見契約 です。
任意後見契約は、将来本人の判断能力が低下した際に、
支援してもらう内容を本人と任意後見人候補者との間で取り決める契約です。
任意後見契約書は、本人と任意後見受任者が公証役場に出向いて、公正証書で作成します。
公証人が本人の意思や代理権の範囲を確認した上で作成し、
作成後は公証人が管轄法務局へ任意後見契約の登記を嘱託します。
※任意後見受任者とは、本人の任意後見人として支援することを約束した人を指します。
なお、この契約を結んだだけでは効力は発生しません。
本人の判断能力が低下した際、本人または任意後見受任者等が家庭裁判所へ
「任意後見監督人選任の申立て」という手続きを行い、任意後見監督人が選任されたときに初めて効力が発生します。
また、任意後見監督人は、本人の親族等ではなく、弁護士、司法書士、社会福祉士等の第三者が一般的には選ばれます。
成年後見制度の詳細については、法務局や家庭裁判所のホームページでも確認することができます。
当事務所では、任意後見や裁判所への後見申立てのサポートを行っておりますので、
いつでも気軽にご相談いただければと思います。